どうもご無沙汰しておりました、ポルシェ専門修理工場店主でございます。

みなさん、ゴールデンウィークは、満喫されましたでしょうか?

私、ゴールデンウィーク、天気が悪かったこともあり、ほとんど、外出することもなく、ちょうどケーブルテレビでやっていたガンダムウィークとかいう朝から晩までガンダムやってるテレビを見ておりました。
気分は、ニュータイプ? 赤い彗星? お蔭で、プチ五月病が、長引いております・・・・(;´▽`A``

ところで、今朝の金環日食、ごらんになられましたでしょうか・・・・。

私も朝から溶接面をかぶって見ておりましたが、生憎に曇り空でしたが、何とか見ることができました。
金環日食① 金環日食②

さてさて、車検整備で入庫致しましたポルシェ 996 カレラ4Sで御座います。
P1080344.jpg

昨年、10月に点検させて頂いて、その際、油脂類と消耗部品を交換させていただいてから4,000km程の走行距離ですので、その際、今後、早期メンテナンスをお奨めさせて頂いておりましたところを中心に作業させて頂きました。

10月に点検させて頂いた時に、クラッチが結構重たくなってきており、私の腰痛センサーがピクピクと反応しておりました。それと、カルダンシャフトのラバージョイントにクラックが出てきておりました。
ポルシェ カルダンシャフトラバージョイント クラック


今回、クラッチオーバーホールを行うのにミッションを外しますので、エンジンのインターミディエイトシャフトのベアリングの点検、対策パーツ(外品)への交換のご依頼を受けました。

ソソクサとミッションを取り外します。
ポルシェ 996C4S オイル漏れ
エンジンとベルハウジングの間からオイル漏れがありました、クランクシールからでしょうか?・・・・。

ポルシェ996C4S クラッチオーバーホール① ポルシェ 996C4S クラッチオーバーホール② ポルシェ 996C4S クラッチオーバーホール④ ポルシェ 996C4S クラッチオーバーホール⑤
オイル漏れは、クランクシールではなく、インターミディエイトシャフト・ベアリング・ハブ・フランジ廻りからのようでした。フライホイールも結構焼けてますね。
しかし、ツインマスフライホイールは、やはり重たいですね(;-_-)。

クラッチディスクはやはり結構磨耗しておりました。
ポルシェ 996C4S クラッチオーバーホール⑥ ポルシェ 996C4S クラッチオーバーホール⑦

プレッシャープレートも焼けていて、結構磨耗してます。
ポルシェ 996C4S クラッチオーバーホール⑧ ポルシェ 996C4S クラッチオーバーホール⑨

さて、今回のメインメニューのインターミディエイトシャフト(以後、IMS)のベアリングの交換に使用するベアリングですが、LN Engineeringというメーカーから対策品としてリリースされているものを使用いたしました。

ボクスター以降の水冷モデルで、全世界的に結構な割合で発生しているといわれている、このIMSの破損が原因とされているエンジントラブル。ボクスター、ケイマン、996、997前期の中古車の購入する上で、まず心配されるのがこのIMSの事だと思います。
この、IMS問題に関しましても、日本国内外、インターネットでググッてみると、色々ヒットいたしますが、実際のところ、どれ位の割合で発生し、主たる原因が何なのかは、不明な点が多いようです。

日本でよく聞く話では、走行距離が比較的少ない時点でのトラブルが多いとかゴー&ストップが多い市街地メインでの使用が多い車が発生率が高いとか・・・。

IMSベアリング
↑ 取り外したIMSベアリングです。
中空のパイプのようなIMSの片側(フライホイール側)にこのベアリング挿入されていて、上の画像のIMSハブ・フランジにボルト止めされています。

ちなみにインターミディエイトシャフトは、オイルポンプを駆動し、チェーンを介して、カムシャフトを駆動しております。インターミディエイトシャフトの片側を支持している部分のベアリングが破損して、支持しなくなった場合、エンジンに重大なダメージを与えてしまいます。

純正IMSベアリングはシールドタイプのベアリングが使用されているのでエンジン内部にありながら、ベアリングの潤滑に関しては、エンジンオイルは関係なく、ベアリング内のグリス等のみでの潤滑になっております。
自動車に使用されているこのようなシールドベアリングは10万キロ位の耐久性はあるそうなのですが、使用されている場所、環境によっては変わってくると思います。

54,000km走行している今回の996C4Sのベアリングですが、やはり多少のガタはありました。
シールドタイプのベアリングの耐久性が10万キロとだとするならば、10万キロ超でも元気に走りまわれるポルシェのエンジン内部の重要な部分にこのようなタイプのベアリングをチョイスしたのが間違いのような気も致しますが・・・。

ポルシェ 996 IMSベアリング交換① ポルシェ 996 IMSベアリング交換②
左側が今回使用いたします、LN Engineeringのベアリングですが、フランジ側がシールされておりませんので、エンジンオイルでベアリングの潤滑を行うようになっております。

IMSベアリングもポルシェ社で3回、対策されたようで、年式、エンジンタイプによって、この対策ベアリングも対応出来るベアリングに種類があります。
ちなみに、ポルシェ社の3回目の対策エンジンは、エンジンをばらさないとベアリングの点検、交換は出来ないようです。

さて、インターミディエイトシャフトベアリング・ハブ・フランジを取り外しますとベアリングが出てきます。
ポルシェ 996 IMSベアリング交換③ P1080390.jpg
スナップリングを外した後、専用ツールでベアリングを抜きます。
ポルシェ 996C4S IMSベアリング交換⑤ ポルシェ 996C4S IMSベアリング交換⑥
専用ツールで対策ベアリングを挿入し、スナップリングをつけ、ハブ フランジを取り付けます。
ポルシェ 996 IMSベアリング交換⑦ ポルシェ 996 IMSベアリング交換⑧

念のため、クランクシールも交換致しました。
ポルシェ 996C4S クランクシール交換

ポルシェ 996C4S クラッチオーバーホール⑪ ポルシェ 996C4S クラッチオーバーホール⑫ ポルシェ 996C4S クラッチオーバーホール⑬ ポルシェ 996C4S クラッチオーバーホール⑭
クラッチディスク、プレッシャープレート、レリーズベアリングを交換致しました。
パーツは、ユーザー様がご用意されていたOEMを使用致しました。

さて、続きまして、クラックの入ったカルダンシャフトのラバージョイントを交換致します。
純正では、ラバージョイントのみの供給はなく、シャフトごとになりますので、今回は、ユーザー様がご用意されたアイコードさんの強化タイプのラバージョイントを使用致しました。
ポルシェ 996C4S カルダンシャフト ジョイント交換① ポルシェ 996C4S カルダンシャフト ジョイント交換② ポルシェ 996C4S カルダンシャフト ジョイント交換③

クラッチオーバーホール、インターミディエイトシャフト・ベアリング、カルダンシャフト・ラバージョイントの交換を終え、少し長めの試運転も終了・・・・クラッチ操作も軽くなり、私の腰痛センサーもピクピクしなくなりました。

今回、対策パーツとはいえ、純正ではないパーツをエンジンの重要な部分に取り付ける作業を行ったのですが、アメリカでは、D.I.Yでポルシェユーザーが行っているそうですが、手順を間違えるとエンジンにダメージを与える可能性がある箇所でもありますので神経を使いました。

ユーザー様にお聞きしたところ、この対策パーツでもエンジンのタイプによっては、交換後もトラブルが数件発生しているとのこと、ただ、それがきちんとした手順で行った上でのことなのか、このパーツを取り付けた何台の内の何台なのかが分からない為、なんともいえないところだ言う事でした。

ただ、日本でのIMSのベアリングが原因とされるトラブルの内、突然、逝ってしまうパターンの場合、しかも、距離が比較的少ないケースに関しては、ベアリングの潤滑方法の問題ではないかもしれません。
上記の場合ですと、なんの兆候も無いことがほとんどなので、どうすることも出来ないかもしれませんが、ベアリング自体のガタの場合は、異音やエンジンオイルの金属片の混入で最悪の状態を未然に防ぐことが出来るかもしれません。
その為には、やはりオイル管理が重要になってくると思いますし、シールドベアリングですので、定期的に点検交換は、必要だと思います。

IMS問題で、購入を躊躇されている方、トラブルが起こる前に乗換えを考えておられる方が結構いらっしゃると耳にしますが、自分の愛車の為に、様々な情報を様々なところから収集し、問題解決の為、トライされているユーザー様には、ただただ、頭が下がる思いで御座います。

有難うございました(。uωu)















FC2 Management

2012.05.21