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毎度有難うございます、ポルシェ専門修理工場店主でございます。

いや~、ブログ、すっかりご無沙汰でございまして、更新の仕方、完全に忘れちゃっております(爆。

さてさて、早速ですが、996ターボのトラブルの定番でございますが、リアウイングの油圧システムのお話でございます。

996ターボのリアウイングは、スピードが120キロ以上になりますとリアウイングが上がりまして、50キロ以下になりますと元の位置へ下がります。

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リアウイングの上げ下げは、速度に関係なく、センターコンソールにあるスイッチで行う事も可能でございます。

で、このリアウイングが、何らかの原因で動かない、或いは、取り合えず、動いているけど何らか問題が一時的にでも発生した場合、 タコメーターの下のモニターに、『 Failure spoiler control 』という警告がでます。

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『 Failure spoiler control 』の原因は、様々ですが、結構、多いのがリアウイングを動かしている油圧システムのオイル漏れです。
左右についている油圧シリンダーからもれている場合もあれば、油圧ポンプから漏れている場合もございます。
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ちなみに今回は、ポンプでございました。
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漏れといっても、ドビュ~って一気に出るわけではなく、ジワジワと滲んでくるんですが、漏れている箇所の付近は、オイリ~ですので一目瞭然でございます。

先日も、関東方面の996ターボに乗っておられるという方から、お問い合わせを頂いたのでございますが、その方の996ターボが同様の不具合が発生し、修理に出しておられる工場からポンプ、シリンダーの油圧システムAssyでの交換のお見積もりを頂いたとか・・・。
ただ、見積もり金額が結構高いので、漏れている箇所のみの交換を検討されているとの事でしたが、修理にだされている工場では、Assy交換のみの対応だと言われたとの事・・・、関東方面のポルシェをメンテナンスされているショップさん、ディーラーに数件、お問い合わせされたそうですが、どこも同様の回答だったそうです。

で、お客様は、どうしたものかとご相談でお電話を下さったわけでございますが、私は、ごくごく、直近で、シリンダーとかポンプとかを部分的に交換した事がないのであれば、Assy交換をお奨めいたしました。
なぜなら、今、漏れていなくても、そう遠くない将来、交換していないところから、かならず、漏れて来るからです。

ちなみに、2016年12月26日現在、Assyの価格は、356,000円(税別)でございます。

個々のパーツも供給されておりますので、現在漏れている箇所のみの交換修理もできますが、作動油の充填とエア抜きが少々面倒でございまして、エアが噛んでいると左右のシリンダーの動きがチグハグだったり、反応が悪かったり致します。

偶に、漏れている箇所のパーツのみを交換したが、オイルの充填不足、エアが噛んでいるのか、シリンダーが動かないと同業者の方からお電話を頂く事がございます。
私も私の知る限りの事をお答えしようとお話させて頂くのですが、何せ口下手なもので私の説明で、判って頂けたかな?御役に建てたかな?と電話を切った後、しばらく反省してしまいますので、今回のブログで、私がいつも行っている方法をご紹介したいと思います。

① 仮に片側からのシリンダーからオイル漏れで、シリンダーのみの交換であっても、リアフードから油圧システムAssyを取り外します。

② 左右シリンダー、油圧ライン、ポンプ全て、取り外します。
※油圧ラインのフィッティングの向きなどは、組む時に間違えないように、外す前に向きを確認して置いてください。
※油圧ラインがねじれたりしないように気をつけてください。

③ 作動油の充填、エア抜きは、まずポンプ単体で行います。
ラインを取り外した油圧経路からスポイトなどで溢れる位、作動油を充填いたします。
仮のバッテリーを用意し、ポンプモーターの+にバッテリーの+、-に-を接続してポンプを作動いたします。
この状態で、ポンプは、シリンダーを伸ばす(ウイングを上げる)方向へ作動しておりますので、オイルが少しでも溢れたら、モーターとバッテリーの+-を逆につなぎ、モーターを逆転させます。そうするとポンプ内の油面が下がりますので再度、スポイト等でポンプ内に作動オイルを補充いたします。
次に、下の画像のように、透明のホース等を使用して、ポンプを上げ下げしてオイル充填、エア抜きを目視でも確認できるように致します。
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この状態で、ポンプを正回転、逆回転を繰り返し、エアが抜け、上の容器の油面が上がり下がりするようになれば、ポンプ単体のエア抜きは完了です。

④ つづいて、油圧ラインをポンプに接続いたします。
※ラインは左右長さが違います。フィッティングの取り付け方向も間違えないように取り付けます。
ラインを取り付けた状態で、シリンダー側のバンジョーからスポイト、注射器等でオイルを充填いたします。
少しだけ、ポンプモーターをシリンダーを挙げる方向に回し、バンジョーの先からオイルが出て来るか確認いたします。
出てこなければ、モーターを逆回転させ、バンジョーからオイルを補充致します。
※2本のラインは長さが違いますので、長い方は、より多くオイルを充填する必要があります。
ポンプを少し回して、両方のバンジョーから、オイルが出ることが確認できましたら、下の画像のような作動油をいれた容器を用意して、2本のバンジョーを入れ、ポンプモーターを正回転、逆回転を繰り返し、容器内にプクプクをエアが出てこない事が確認できるまで繰り返します。

IMG_0778[1]

エアが出てこなくなれば、ポンプ、ラインのオイル充填、エア抜きは完了ですので、容器からバンジョーを取り出します。
※この際、バンジョーはライン内のオイルが出ないよう、下に向けないように致します。

⑤ 左右シリンダーにスポイト等を使用してオイルをなみなみ、充填いたします。
※左右シリンダーは縮んでいる状態ですので、入るオイル量は微量です。
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⑥ 左右シリンダーをラインに取り付け致します。
※バンジョー内のオイルが出ないよう、ラインが垂れ下がらないよう取り付け致します。
左右ともシリンダーが取り付けられましたら、ポンプモーターを回し、シリンダーの動きを確認致します。

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ポンプモーターが廻りだして、直ぐにシリンダーが動くようでしたら概ね、オイルの充填はOKです。
左右のシリンダーの動き、突き出し長さが同じかどうか、右シリンダーのマイクロスイッチ用位置まで動いているか確認致します。

IMG_0786[1]


⑦ エア抜きの仕上げです。
ポンプを回して、シリンダーが一番縮んでいる状態から約35mm伸ばします。※左右差が無いことを確認致します。

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この状態で、シリンダー側のバンジョーボルトを軽く緩めます。
シリンダー側のバンジョーから作動油が出て来る事を確認しながらシリンダーが縮みきったところですばやく、バンジョーボルトを締めます。※この際も、シリンダーが垂れ下がらないように行います。
左右とも完了すれば、再度、ポンプを回し、シリンダーの動きを確認致します。
動きが問題なければ、シリンダー側、ポンプ側のラインの接合部分からオイルの漏れがないかミクロチェック等で点検致します。

IMG_0782[1] IMG_0783[1]

漏れが無ければ、油圧システムのオイル充填、エア抜きは完了です。

後は、車両に取り付け、動作テストを行い完了です。

上記は、あくまで私が行っている方法で、『 ブログの通り、やりましたが上手くいきません~! 』等のクレームは一切受け付けませんので、あくまで参考程度にしてくださいね。逆にもっと簡単な方法があったら教えてくださいね。

あ~、久しぶりのブログが、かなり文字だらけになってしまいました。

ちなみ、 弊社の年末年始のお休みですが、12月28日(水)~1月4日(水) でございます。

よろしく御願い致します。

有難うございました。
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2016.12.26 
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